フィラメントの湿度管理について

イントロダクション

3Dプリンティングを行う上で、フィラメントの湿度管理は非常に重要です。湿度が高いとフィラメントが吸湿してしまい、プリントの品質に影響を与えます。フィラメントが湿気を吸収すると、フィラメントの表面がベタベタしてきてしまい、その結果、プリント中にフィラメントが詰まったり、バブルが発生したりすることがあります。また、湿気を吸収したフィラメントを使用した場合、プリントの仕上がりに問題が発生することがあります。プリント中にフィラメントが吹き出す際、湿気が蒸発して気泡が発生し、プリント表面に綺麗に吹き出せないことがあります。そのため、フィラメントの湿度管理はプリントの品質に直接影響するため、注意が必要です。

フィラメントの種類による湿度管理の違い

フィラメントの種類によって、湿度管理方法が異なります。ポリカーボネートのフィラメントはほかのフィラメントと比べて湿気を吸収しやすく、湿度が高いと吸湿してしまいます。そのため、ポリカーボネートのフィラメントを使用する場合は、湿度管理をするなどの注意が必要です。ポリカーボネートのフィラメントの場合、温度設定とタイマー機能がついたボックスを使用することをおすすめします。このボックスはフィラメントを保管するだけでなく、プリント中も湿気を取り除くことができます。このように保管することで、湿気を吸収したフィラメントを使用することを防ぎ、プリントの品質を維持することができます。

以下が吸湿力の高いフィラメントの順位になります。上位ほど湿気に弱いといえます。

  1. ナイロン(ポリアミド)
  2. ポリカーボネート(PC)
  3. ポリエステル(PETG)
  4. アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)
  5. ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)
  6. ポリカーボネート/ポリエステル(PC/PETG)

一方、PLAのフィラメントは湿気を吸収することが少なく、湿度管理に対する対策は必要ありません。ただし、夏場など湿度が高い環境下で保管した場合は、吸湿する可能性があるため注意が必要です。湿気を吸収したPLAのフィラメントを使用すると、プリント時に気泡が発生することがあり、品質が低下してしまう場合があります。湿度の高い環境下での保管には注意が必要です。私の場合、室内に多くの植物を育てているため、湿度が普通の部屋よりも高くなってしまっています。そのため、フィラメントを保管する際には、布団圧縮袋などを使用して湿気を取り除くようにしています。

フィラメントの湿度管理方法

フィラメントの湿度管理方法には、以下のような方法があります。

1.湿度管理ボックスの使用

湿度管理ボックスは、フィラメントを保管するだけでなく、プリント中も湿気を取り除くことができるため、フィラメントの湿度管理に取り入れられています。ポリカーボネートのフィラメントを使用する場合、湿度管理ボックスを使用することをおすすめします。湿度管理ボックスには、フィラメントを保管する空間と、湿気を取り除くための乾燥剤が入っています。このように保管することで、湿気を吸収したフィラメントを使用することを防ぎ、プリントの品質を維持することができます。

素材 PLA WOOD PVB ABS HPS PC PA ASA PETG TPU
温度設定 45-50℃ 50-55℃ 47-51℃
時間 3-6h
湿度管理ボックス(SUNLU)の説明書より抜粋

2.乾燥器の使用

湿度管理ボックスに次いで、乾燥器もフィラメントの湿度管理に取り入れられています。乾燥器は、フィラメントを保管する空間と、湿気を取り除くための熱源が付いています。フィラメントを乾燥器に入れて、一定期間加熱することで、フィラメント中の湿気を取り除くことができます。乾燥器は、湿度管理ボックスよりも高価ですが、効果的な湿度管理ができるため、高品質なプリントを行いたい場合におすすめです。

3.空気密性の高い袋や容器に保管する

フィラメントを空気密性の高い袋や容器に保管することで、湿気を取り込むことを防ぐことができます。袋や容器には、湿気を吸収するための乾燥剤を入れることで、湿気を取り除くこともできます。ただし、この方法では、フィラメント中の湿気を取り除くことはできません。湿気を取り込まないようにすることが目的となります。

4.布団圧縮袋の使用

布団圧縮袋は、湿気を取り除くことができるため、フィラメントの湿度管理に利用されることがあります。フィラメントを布団圧縮袋に入れ、圧縮することで、湿気を除去することができます。ただし、この方法では、フィラメント中の湿気を取り除くことはできません。湿気を取り込まないようにすることが目的となります。

まとめ

フィラメントの湿度管理は、プリントの品質に直接影響するため、注意が必要です。フィラメントの種類によって、湿度管理方法が異なるため、適切な方法を選択する必要があります。ポリカーボネートのフィラメントを使用する場合は、温度設定とタイマー機能がついたボックスを使用することをおすすめします。また、湿度が高い環境下で保管する場合は、湿気を取り除くための方法を取り入れることをおすすめします。湿気を吸収したフィラメントを使用すると、プリントの品質が低下することがあるため、プリント前に湿度管理について注意深く対処することが必要です。

おすすめの記事